自家用車を所有している方ならご承知の通り、日本では車両に車検が課せられます。ここではレンタカー事業に携わる者が知っておくべき、レンタカーの車検費用や期限、車両の種類ごとの違いなどの情報をご紹介していますので、参考にしてみてください。
レンタカー事業者として知っておかなければならないことのひとつに、レンタカーに用いる車両と一般向けの乗用車では車検の有効期間が異なるという点があります。不特定多数の方が運転するレンタカーは、より高い水準の整備が必要となるという考えによるものです。ただし車の種類により違いがありますので、詳しく見ていきましょう。
一般の方が普通乗用車を新車で購入した場合、初回車検までの期間は3年間、以後は2年ごとに車検という流れになります。
対して「わ」ナンバー登録となるレンタカーは、新車で購入した普通乗用車の場合、初回車検までの期間は2年間と1年短くなり、2回目以後は1年ごとに車検となるというのが大きな違いとなります。
つまり、レンタカー事業に用いる普通乗用車は一般の方が自家用車として利用する場合よりも車検を受けなければならない頻度が増え、その分費用もより多くかかるということになります。
参照元:トラスト行政書士事務所|レンタカー事業について専門家が徹底解説 (https://trust-unsou.com/rentacar/)
排気量660cc以下で乗車定員4人以下、黄色地に黒数字・文字のナンバープレートが付与される軽自動車も、レンタカー登録することができます。ただし、レンタカーとして新車の軽自動車を登録した場合、初回車検までの期間は3年間ではなく2年間となるのが自家用車として登録する場合との大きな違いとなっています。
また上記の通り普通自動車をレンタカー登録した場合、2回目以降の車検は1年ごととなりますが、軽自動車の場合はレンタカー登録した場合でも、2回目以降の車検は自家用車登録の場合と同じく、2年ごととなるという点も、注意すべきポイントとなります。
中古車として販売されていた車両を購入し、レンタカーとして登録するということも可能です。ただしその場合にも、車検の有効期限には注意が必要となります。
そもそも中古車というものは個々の車両によって次の車検までの残り期間が異なりますが、ポイントとなるのは「わ」ナンバーのレンタカーとして登録された日付。登録された日から車検が1年以上残っている場合は、レンタカー登録された日から1年後。車検までの期間がレンタカー登録日から1年以内の場合は、その期限日までに車検を受ける必要があります。
前述しました通り、レンタカー登録された車両は自家用車登録された車両よりも、車検を受けなければならない頻度は多くなりますが、1回ごとにかかる費用自体にはさほど変わりはありません。大まかには、普通自動車で8〜16万円程度、軽自動車で6〜9万円程度というのがひとつの目安。交換部品が多くなると、部品代や工賃が加算されていくということになります。その上で車検費用はどのような内訳で構成されるのか、詳しく見ていきましょう。
車検時に発生する法定費用には、自動車重量税、自賠責保険料、印紙代があります。なかでも注意すべきなのが、自動車重量税。以前より、車種や車両登録してからの年数で税率・税額が決まるという方式でしたが、令和5年度税制改正により、さらに細かく区分されることとなりました。以下のリンク先を参照の上、レンタカー事業に用いる車両がどの区分に該当するか、チェックしておくことが賢明です。
参照元:日本自動車工業会|令和5年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方(フローチャート)その5[※PDF](https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001884517.pdf)
車検を依頼する業者に支払う費用であり、法定24ヶ月点検料、保安基準適合検査料、そして検査代行手数料が該当します。注意すべきは、これらの車検基本料金は車検を委託する業者によって金額に差が出やすいという点になります。そのため車検を依頼する業者を選ぶ際には、複数の業者に見積もりを依頼し、金額や付随するサービス内容を比較検討して依頼先を決めるというやり方が望ましいと言えます。
車検費用を大きく左右するもうひとつの要素が部品交換費用になります。言うまでもなく車にはタイヤやブレーキパッドなどの消耗部品が多く用いられており、寿命が来たら交換する必要があります。またエンジンや駆動系、操舵系などの部品が経年劣化し、そのままでは安全に走れないという場合も交換は必須となります。年式の古い車両や走行距離の多い車両ほど、これらの部品交換費用が増えてしまうという傾向があります。
以上の通り、レンタカー事業に用いる車両は自家用車登録した場合よりも、車検を受けなければならない頻度が多くなるというのが、事業者として注意しなければならないポイント。また不特定多数のドライバーにより多く利用されるため、自家用車よりもダメージが蓄積されやすいということも、踏まえておくべきです。

※2025年8月1日公式HP確認時点
※2025年8月1日公式HP確認時点
