数ある車関連ビジネスの中でも、収益を確保しやすいレンタカー事業。利益率もかなり高く、2桁台になることも珍しくありません。ただし、レンタカー経営にはメリットとデメリットがありますので、開業の可否は慎重な判断が求められます。
このページでは、レンタカー業界の動向や収益性・利益率のほか、レンタカー経営のメリットとデメリットを解説します。

レンタカー業界は、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大によって、2019年と比べて売上が大幅に減少しました。特に大きく減少したのは2020年5月で、前年同月比で50%以上の落ち込みを記録しています。
しかし2021年に入るとレンタカー業界は持ち直し、前年比で売上が大きく増加しました。その後もレンタカー業界は前年を超える売上伸び率を見せ、コロナ禍による行動制限が緩和して以降も堅調に推移しています。
レンタカー業界は売上が大きく伸びている一方、自動車リース業界はほとんど伸びていません。自動車リース業界はコロナ禍前後でさほど変化がなく、横ばいか微減傾向が続いています。
参照元:経済産業省公式HP(https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/sanko/pdf/hv68_02j.pdf)
参照元:経済産業省公式HP(https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20230224hitokoto.html)
レンタカー事業は、初期投資が比較的少なく、効率的な運営が可能なため、収益性の高いビジネスモデルです。特に、車両の回転率を高めることで安定した収益が期待でき、定期的なメンテナンスを行えば長期的な収益を得ることができます。
また、観光業やビジネス需要に支えられており、季節による需要変動が大きいため、適切な車両台数の管理(在庫コントロール)が収益化の鍵となります。さらに、カーシェアリングや短期レンタルなどの多様なニーズに応えることで、収益拡大のチャンスが広がっています。
レンタカー需要は観光からビジネス、日常の足としての代車利用まで多岐にわたっています。しかし、参入障壁が比較的低い一方で、緻密なコスト管理と売上構造の最適化を行わなければ、薄利多売の罠に陥りやすい側面も持っています。
レンタカー事業を運営する上で、まず直面するのが車両という動産資産に伴う多額のコストです。これをいかにコントロールするかが、最終的な利益率を左右する最大の要因となります。最も大きな割合を占めるのは、当然ながら車両の取得費用と維持費です。新車を導入すれば故障リスクは低減しますが、初期投資と減価償却費が重くのしかかります。
一方で、中古車を活用すれば初期投資は抑えられますが、メンテナンス頻度が高まり、故障による稼働停止(ダウンタイム)という目に見えない損失を招くリスクが生じます。加えて、事業用車両としての任意保険料は、自家用車に比べて極めて高額です。不特定多数が運転するというリスクを担保するため、保険料は固定費の中でも大きな負担となります。
車両を保管するための駐車場代や、顧客対応を行う事務所の維持費、清掃や受付を担う人件費といった固定費が発生します。特に都市部では駐車場代が収益を圧迫しやすいため、1台あたりの稼働率が損益分岐点を大きく左右します。
また、見落とされがちなのが車両の洗車・清掃コストと軽微な傷の補修費。これらは一件あたりは少額ですが、回転数が上がるほど累積し、経営を圧迫する要因となります。これらのコストをいかに効率化し、変動費としてコントロールできるかが、事業の持続性を決定づける重要な要素です。
レンタカー事業において、多くの経営者が陥りがちな罠は車両の基本料金だけで収益を計算してしまうことです。基本料金で競合との価格競争に対応しつつ、いかに他の項目で利益を積み上げていくための売上の多角化が求められます。
レンタカー事業の売上は、単なる基本料金だけにとどまりません。高い儲けを出している事業者は、複数の収益項目を巧みに組み合わせ、顧客単価を最大化させています。核となるのは時間制の基本料金ですが、ここに免責補償制度(CDW)や営業補償制度(NOC)サポートといった安心料を加算するのが定石です。これらは原価がほとんどかからない純然たる利益項目であり、加入率を高めることが利益率の向上に直結します。
また、チャイルドシートやカーナビ、スタッドレスタイヤ、ETCカードの貸出といったオプション料金も、積み重なれば大きな収益源となります。
空港や駅への配車・引き取り手数料、乗り捨て(ワンウェイ)料金などは、付帯サービスの収益化に繋がります。利便性を提供すると同時に高い利益率を確保できる項目。また、返却時の燃料代精算も、市場価格よりわずかに高く設定することで、手間代としての収益を得ることが可能です。
中長期的な視点では車両の売却益が大きな収益源となります。レンタカーとして一定期間運用し、減価償却が進んだ車両を中古車市場で売却することで、最終的なキャッシュフローが完成します。仕入れ値と売却値の差を最小限に抑える出口戦略こそが、レンタカー事業における真の利益の源泉と言っても過言ではありません。
レンタカー市場は大手チェーンから地域密着型の個人経営までプレイヤーが多く、単に車両を並べて待っているだけでは価格競争の渦に飲み込まれ、収益は瞬く間に削られてしまいます。市場の隙間を突き、顧客が「あえてあなたの店を選ぶ理由」を構造的に作り出すためには、経営の判断基準を一段高いレベルへと引き上げなければなりません。
コストと売上の構造を理解した上で、競合を上回る利益を出すためには、徹底した稼働率の最適化とダイナミックプライシングの導入が不可欠です。レンタカーは在庫を翌日に持ち越せない「消滅性商品」です。今日貸し出せなかった車両の機会損失は二度と取り戻せません。そのため、閑散期には法人向けのマンスリー契約や代車需要を確保してベースの稼働率を底上げし、繁忙期には観光客向けに強気の価格設定を行うといった、需要に応じた柔軟な価格戦略が求められます。
特に予約管理システムを活用し、直近の予約状況に応じて数千円単位で価格を上下させることで、利益の最大化を図ります。
大手のレンタカー会社と同じ土俵で価格競争をしても、資本力で劣る中小事業者に勝ち目はありません。ここで重要となるのが、ターゲットを観光客だけに限定せず、日常利用や短時間レンタルのニーズを積極的に取りに行く差別化戦略です。
観光需要は季節や曜日に左右されやすく、収益のボラティリティ(変動幅)が大きくなる欠点があります。一方で、「買い物で数時間だけ使いたい」「雨の日だけ送り迎えに利用したい」といった近隣住民の日常ニーズや、短時間のチョイ乗り需要を喚起することで、平日の日中という魔の時間帯の稼働率を劇的に改善できます。
特定のニーズに特化することは、比較検討の基準を価格から価値へとシフトさせる効果もあります。例えば、引っ越しや家具の買い出しに便利な軽トラック、あるいは週末の趣味を豊かにするキャンプ仕様のSUVなど、用途を具体的に提示することで、生活圏内の潜在顧客を掘り起こせます。
また、日常利用を促進するためには、会員制の導入やスマホ1つで完結する非対面予約システムなど、心理的・物理的なハードルを下げる工夫が求められます。これにより、「レンタカー=特別な旅の道具」から「レンタカー=生活を支えるインフラ」へと顧客の認識を塗り替え、年間を通じた安定収益を実現できます。
集客をポータルサイトだけに頼ると、高額な手数料によって利益が削られます。自社ウェブサイトからの直接予約を増やすために、地域名と車種を組み合わせたSEO対策や、Googleビジネスプロフィールの徹底的な運用が欠かせません。また、一度利用した顧客に対して公式LINEなどを通じてクーポンを配布し、リピート率を高めることで、新規獲得コストを抑えながら安定した収益基盤を構築できます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化が利益を支えます。無人貸出システムやオンライン上での事前決済・免許証登録を導入することで、店舗での受付時間を短縮し、最小限の人員で多くの車両を回すことが可能になります。
レンタカー事業は、単なる移動手段の提供ではなく、徹底したデータ分析と顧客体験の最適化、そして資産価値の最大化を追求するビジネスです。コストの細部を凝視し、売上項目を多層化させ、観光から日常まで全方位のニーズを戦略的に拾い上げることで、持続可能で高い収益性を誇る事業へと成長させることができるでしょう。
数あるビジネスの中でも、高い利益率が期待できるレンタカー事業。メリットやデメリットをご紹介します。
レンタカー事業の主なメリットは次のとおりです。
レンタカー事業のメリットは、投資回収期間が短くて済む点にあります。利益率が高いビジネスですので、投資資金をスピーディに回収することも不可能ではありません。また、車両が1台あれば開業できるため、スモールスタートしやすい点もメリットといえます。
中古車や既存車両を活かせるのも魅力。レンタカーは車種の指定がないため、安価な車両や所有している車両を有効活用できます。車両を中古車として売却した際には売却益も得られます。
多数のメリットがあるレンタカー事業ですが、以下のデメリットもあります。
レンタカーは多数の事業者があるため、地域によっては価格競争に巻き込まれるリスクが潜んでいます。事業を軌道に乗せるなら、価格以外での差別化が求められるでしょう。
また、地域や時期によっては需要が大きく変動する場合もあります。特に観光地の場合、観光シーズンと繁忙期では需要に開きが生じてしまいます。レンタカーは自動車保険料も少々高いため、ランニングコストに注意しておきましょう。
もし安定経営を目指すのであれば、レンタカーフランチャイズへの加盟も検討をおすすめします。レンタカーのフランチャイズへ加盟すれば、ブランドが持つ知名度を活かした集客が可能です。
また本部のサポートを受けられるほか、ノウハウやツール・システムを提供してもらえます。一から独立・開業するよりリスクも低いため、ぜひ加盟を検討してみましょう。
本サイトではレンタカーフランチャイズ加盟を検討中の企業向けに、自社の強みを武器に成果を倍増できるフランチャイズをご紹介。次の一手を確実にする戦略的パートナーに相応しい3社をまとめて掲載していますので、ぜひ参考にしてください。

※2025年8月1日公式HP確認時点
※2025年8月1日公式HP確認時点
