近年、日本を訪れる外国人観光客の数は年々増加しています。特に2024年6月には、単月として過去最高の訪日外国人旅行者数を記録しました。(*1)このようなインバウンド需要の高まりに伴い、外国人観光客によるレンタカー利用も増加傾向にあります。地方の観光地や公共交通機関が限られるエリアでは、レンタカーが重要な移動手段となっています。
※*1 (参考元:https://www.jnto.go.jp/news/press/20240719_monthly.html)
外国人ドライバーの増加に伴い、交通事故の発生率も高まっています。特に、日本は左側通行・右ハンドルであるのに対し、多くの国では右側通行・左ハンドルが主流です。この交通ルールの違いが、外国人ドライバーの事故率を高める一因となっています。実際、訪日外国人によるレンタカー事故の発生率は、日本人の4倍以上との報告もあります。
訪日外国人ドライバーがレンタカーで事故を起こす場合、上記でも述べている通り外国と日本では交通ルールが異なることが原因のひとつといえます。例えば「右側通行・左側通行」という点や、交通標識の意味がわからない、といったことにより事故が発生するリスクが高くなっているといえます。
上記の点に対応するには、例えば多言語化したパンフレットに、交通ルールなどを記載して読んでもらうといった方法が考えられます。また、多言語対応のドライブ支援アプリケーションを活用する方法も。このアプリケーションは、レンタカーを利用する際に役立つ情報を提供することを目的としているため、このアプリケーションをインストールした端末を車と共に貸し出せれば、事故の防止にもつなげられる可能性もあります。そのほか、窓口にて多言語音声翻訳システムを導入することで訪日外国人とのコミュニケーションをとりやすくなります。
訪日外国人観光客による事故率の増加を受けて、地方自治体と連携した安全運転啓発活動が行われています。
例えば、2018年には一般社団法人東北観光推進機構と東北6県、レンタカー業界が連携して、訪日客が運転していることを周りの車に知らせるためのレンタカー用ステッカーの作成が行われました。
また、2008年には国土交通省北海道開発局において、訪日外国人が北海道でのドライブ観光を楽しむためのハンドブックを作成。日本語、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語、フランス語、ドイツ語の7種類があり、その内容には日本の交通ルールやレンタカーの利用方法などが含まれています。
前述の通り、通行方向やハンドル位置の違いが混乱を招き、事故の原因となることが多いです。特に、右側通行に慣れたドライバーが左側通行の日本で運転する際、無意識に右側を走行してしまうケースが報告されています。
レンタカーの貸渡時に提供されるマニュアルや説明が日本語のみの場合、外国人ドライバーは重要な情報を理解できず、結果として事故やトラブルにつながることがあります。
外国人観光客が安心してレンタカーを利用できるよう、以下の多言語対応が求められます。
セルフチェックイン機やオンライン予約システムなどのデジタルツールを導入することで、手続きの効率化と多言語対応を同時に実現できます。これにより、受付業務の負担軽減と顧客満足度の向上が期待できます。
外国人ドライバーに対して、出発前に日本の交通ルールや運転マナーに関する説明を行うことが重要です。多言語対応のビデオや資料を活用し、理解を深めてもらうことで、事故のリスクを低減できます。
外国人ドライバーへのレンタカー貸出しに際しては、以下の点に注意し、安易な貸出しを避けることが重要です。
インバウンド需要の増加に伴い、外国人観光客によるレンタカー利用が増加しています。しかし、交通ルールの違いや言語の壁などから、事故やトラブルのリスクも高まっています。インバウンド需要をターゲットとするレンタカー事業者は、多言語対応の強化やデジタルツールの活用、出発前の安全講習などを通じて、外国人ドライバーが安全かつ安心して日本でのドライブを楽しめる環境を整えることが求められます。
リスクや運営負荷を考慮し、あえて外国人観光客をターゲットとしない選択も一つの戦略です。地域特性や自社のリソースを見極め、最適なターゲット層を設定することが、持続可能なレンタカービジネスの鍵となります。

※2025年8月1日公式HP確認時点
※2025年8月1日公式HP確認時点
